燃費の試験方法、NEDCからWLTPへ 見えてきた導入後の課題
公開 : 2018.03.03 07:10 更新 : 2018.03.03 10:41
数値平均22%の悪化 今後の課題
この新しい基準は徐々に導入され、今秋から各メーカーがその数値を公表することが義務付けられている。
試験自体はすでに開始されており、各団体が旧基準と新基準の間での比較のための換算方法を検討している。ドイツ自動車工業会(VDA)の推定では、燃費やCO2排出量の数値は平均して22%程度増えるとされている。
現時点では、現実世界の公道で行われる試験の正確さにはある程度のばらつきが生じてしまう。しかし、2021年初頭に完全に施行されるまでの間、この試験方法の改善が続けられることが決まっており、試験場で行われるWLTPテストと公道で行われる新しいテストでの数値の乖離は縮小されるだろう。
この新規則の導入によって、ヨーロッパが世界で最も厳しい環境規制を持つことを証明できると同時に、フォルクスワーゲンのスキャンダルによって崩れた自動車業界の名声も(一部は)回復できるだろう。
なぜ一部なのかと言えば、WLTPのWが示す「世界」という名称とは裏腹に、これはEU、英国、ノルウェー、アイスランド、スイス、リヒテンシュタイン、トルコ、イスラエル、日本などでしか適用されないのだ。
その他の国々ではディーゼルなどの一部のみの採用をしていたり、米国やブラジルなどは全く独自の基準を持っている。
その頃には大半のひとびとは忘れているかもしれないが、フォルクスワーゲンが不正に手を染めたそもそものきっかけは世界中で燃費基準が異なることにあるのだ。