英国編集部、日本の軽スポーツに試乗 ホンダS660/ダイハツ・コペン 後編

公開 : 2018.02.24 11:10

後編です。英国のAUTOCAR編集部員の軽スポーツ試乗。彼らの目から見える「ニッポン」と、そこにしかない軽自動車は、どのように感じられたのでしょうか。結論はじつに興味深いものでした。

もくじ

前編
富士山をめざして
2台を目の前にすると
軽自動車というベネフィット
まずはダイハツ・コペンに試乗

後編
「日本」という独創性
ホンダS660に試乗
日本だからこそ、軽
最高の軽スポーツカー3選

「日本」という独創性

レインボー・ブリッジは赤くはないがゴールデン・ゲート・ブリッジに似ている。あるいはイギリスのセバーン・ブリッジにも似ている。

橋はどこの国でも似たり寄ったりだが、クルマに関して言えば、東京はイギリスでは手に入らない奇妙かつ素晴らしいモデルが溢れていて、クルマ好きにとってはパラダイスだ。

軽自動車に限らず、ミニバンにも様々な形、サイズ、デザインが存在する。日本製のクルマは独創的で、見ていて楽しい。日本市場はSUVブームに呑み込まれていない最後の楽園なのだ。

宿泊する富士市に向かうための高速道路は、コペンの方が運転しやすいかもしれない。なかなか進まなかったのは渋滞していたからではなく、何もないところにぽつんと自動販売機があったり、サービス・エリアで迷彩柄のケーキから猫の手の形をした料理用トングまで、何でも売られていたりしてクルマを停める誘惑が多かったからだ。

サービス・エリアの駐車場では週末にクルマ好きのオフ会がよく行われるが、この時はトヨタ・ハイエースのファンクラブが集結していた。

走行していると、コペンはスピードを出せば出すほど調子が良いことがわかる。問題なく高速道路の流れに乗ることもできる。軽自動車の制限速度は名目上100km/hだが、規定というよりは推奨のようなものだ。

パワーはなくとも、スピードメーターに設定されている最高時速140km/hまで簡単に到達してしまいそう。そうすると、女性の音声による速度超過の警告が車内に響くのだという。

たどり着いた富士市は観光に訪れるというよりは通り過ぎてしまうような港町である。カメラマンのスタンが数々の風変わりなネオンの写真を撮ろうとした瞬間、土曜の夜だというのにひとつずつ明かりが消えていってしまうような田舎なのだ。

良かった点と言えば、夕飯で毒にあたることなくフグを堪能できたことだ。

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