英国編集部、日本の軽スポーツに試乗 ホンダS660/ダイハツ・コペン 後編
公開 : 2018.02.24 11:10
ホンダS660に試乗
翌日、わたしはようやくホンダに乗り込んだ。室内はイギリスで数年前に販売終了になったハイブリッド車のCR-Zをそのまま真似たようで、クリアでかっこいいインパネ、小さくてがっちりしたハンドル、愛らしいシフトノブとシフトブーツ、そして快適なシートが備わっている。
ダッシュボードのセンターディスプレイには軽自動車の武器とも言えるGフォースを示すメーターが、見やすく表示されている。
ステアリングはダイハツよりも重く、感覚に訴える操作感。スポーツカーらしくて、運転に没頭できる。しかし、ホンダは路面の凹凸への対応があまり得意ではないことからわかるように、シャシーまでは上手くコントロールできていない。
その点においてコペンよりはまだ優れているが、ロータス・エリーゼのミニ版とまではいかない。
ハンドリングはというと、富士山の東側の駐車場を目指して急な坂を走っている最中に小気味よく曲がるし、その楽しさを味わえた。
わたしはその日の朝、低速走行中にホンダが匂わせたロータスのようなハンドリングを発揮してくれないかと期待していた。その期待には応えてくれるかもしれないが、トラクション・コントロール・システムは残念なことにシステムをオフにしている時でさえ、コーナリングの際はどんな速度であろうが警告音を発する。
ただ、ターン・インは見事だし、コーナー出口ではテール・スライドをすることができる。このことから、小さいけれど素晴らしいスポーツカーであると同時に素晴らしい軽自動車でもあると言える。
それからわたしはあまり多くを望むことなく再びコペンに乗り換えたが、そこには嬉しい驚きが待っていた。