英国編集部、日本の軽スポーツに試乗 ホンダS660/ダイハツ・コペン 後編
公開 : 2018.02.24 11:10
日本だからこそ、軽
コペンはアンダーステアが抑えられており、コーナリングで電子制御が邪魔することもないので、スピードを出したまま曲がることができる。このようなクルマに仕上げたダイハツに賛辞を贈りたい。
コーナリングでの加速を得意とするハッチバックのような性能を持っており、軽スポーツカーはこうであって欲しいと思う。
東京に戻る帰路はホンダを運転したが、雨が酷かったため富士山の神社に寄って様子を見ることにした。しかし、待てども小降りになる様子がなかったので、前を走るクルマが数台しか見えない土砂降りの中、ホンダで高速道路を走行した。
そんな状況ではS660でも、どんな軽自動車でも、風雨にさらされているような感じがするのでは? と心配になるかもしれないが、実際は全くそんなことはない。
むしろ、信頼できる「大型車」に乗っているような感覚になる。唯一不満なのは(身長178cmのわたしより座高が高い人には当てはまらないことだが)ロールバーに後頭部を打ち付けないよう首を少しもたげないといけないことだ。街乗りや山道ではいいけれど、長距離の高速道路では厄介である。
東京には暗くなってから到着した。台風ランが東京を直撃するのは翌朝6時と予想されていたのでそれまでに戻ることができてほっとした。結局ランはブライアンのように都心部をかすった程度で、甚大な被害を残すことなく澄み渡った空をもたらした。富士山にかかっていた雲もどこかへ行ったことだろう。
台風は去ったものの、今回のクルマに惹きつけられたわたしはまだ帰国するつもりもないし、軽スポーツカーの輸入についてイギリスの政治家に進言をするつもりもない。
軽スポーツカーは日本とその文化に根付くものであり、日本で運転すると喜びを得られるが、イギリスでも乗りたいかというとそうでもない。こういう楽しいクルマがあることを知っているだけで十分満足なのだ。