AUTOCARが望む、復活してほしい自動車メーカー(1) オースチン
公開 : 2018.02.24 10:10
価格高騰中の今こそ狙い目?
オースチン・ヒーレーの復活は目新しいアイデアではない。長年にわたり何度も計画されては、たいてい誰がこのブランドネームを所有するかの議論の末、計画そのものがとん挫してきた。
ドナルド・ヒーレーの家族が所有権を主張したこともあったし、わたし自身、ブランドの所有権を主張する複数のひとびとに会ったことがある。
ブランド所有権の問題さえ解決すれば、まさに今こそが新しい技術でヒーレー・ブランドのロードスター・モデルを作りだすに相応しいタイミングだ。
その場合、動力源はレンジエクステンダー付EVとして、更には大型パネルの使用量を減らすために、最新のアルミフレーム技術を使ったシャシーを採用するべきだろう。
では何故このタイミングなんだろうか?
それはオリジナル・ヒーレーの価格が非常に高騰しており、状態の良い6気筒モデルで8万ポンド(1228万円)以上の値を付けていることを踏まえれば、より新しくて優れたエンジニアリングを施されたヒーレー、つまりは、適切な乗降部とキャビン・スペース、現代的なエアロダイナミクスにステアリングとサスペンション、更にはクラッシックなレタリングで飾られたガラスのダッシュボードと、上手く新旧を融合させたデザインを持つロードスター・モデルならば6万ポンド(921万円)ほどの値を付けても問題ないだろうからだ。
鼻先にガソリン仕様のレンジエクステンダー用エンジンを積み、トランク下に設置されたディファレンシャルと駆動モーターを搭載した電動リア・アクスルを持つレイアウトが理想的だ。
双方の技術とも既にジーリー傘下のロンドン・エレクトリック・ビークル・カンパニー(LEVC)製新型TXタクシーに採用されており、ロータス・エリーゼ同様、接着した複合材パネルをアルミ押出し成型フレームが支えている。
LEVCではこの計画を実現するために元ロータスの構造専門家たちとそのノウハウを投入している。そしてジーリーはプロトン買収を通じて今やロータスも所有しており、ヘーゼルから助力を得ることもできるだろう。
もちろん、乗り越えなければならない課題もある。