セレブ御用達 モデナのカスタム会社「アレス」訪問 人気の理由なぜ
公開 : 2018.02.24 07:10 更新 : 2018.02.24 10:01
生産ライン 「動かぬ高級車の群れ」
コンクリート製エプロンを越えて、生産ラインへと入っていくと、動かない高級車の群れとでも言えそうな光景が目に入った。
いくつか見慣れた作業がおこなわれている。メルセデスSクラスやVクラスのインテリアをウッドやレザーでさらに美しく仕上げたり、最新のコネクティビティを与えたりといった作業だ。
しかし、次に目に入ったものこそアレスの真骨頂だろう。4ドア・サルーンのミュルザンヌとして生を受けたクルマは、オリジナルのホイールベースとシートアレンジのまま、ベントレー「ブルックランズ2」と呼ばれるロングドア・クーペに生まれ変わっていた。素直に美しいと思った。
ロングクーペらしく見せるためのデザイナーの苦労を知れば、より美しく思えるだろう。アレスでは64万ポンド(9717万円)のこのクルマを既に7台受注しており、最大15台が生み出されることになる。
突然、年間売上2700万ポンド(41億円)を稼ぐことなど簡単なことのように思えて来た。
次に目にしたのはカーボンファイバー製ボディに換装されたメルセデスG63の一群である。この変更によって200kg軽量化されたこのモデルはアレス・デザインXレイドと呼ばれており(ただし、登録と認証はメルセデスGクラスのままである)、ベントレーと同じくらいのプライスタグを掲げているが、高価なカーボンファイバー製ボディや、取外し可能なダッシュボードとトリムには複雑な作業が必要にもかかわらず、全体的な印象はそれほど高価なものには見えない。
アレスでは面倒なフル・コンプライアンス試験はおこなわないものの、ドイツの検査機関であるTUVの検査員に車両の品質チェック委託している。
Xレイドの場合、合計で8回検査員がチェックのためにアレスを訪れており、バハールも満足しているようだ。TUVによる検証は欧州全域だけでなく、遠く離れた豪州や日本でも登録機関に対して良い印象を与えている。
次に現れたのはアレス流の解釈がなされたポルシェ911「GT3タルガ」である。