ポールスター訪問 CEOトーマス・インゲンラートに聞く、苦悩と未来

公開 : 2018.02.24 15:10

立ちはだかった、ふたつの壁

そこではポールスター1が今や生産準備を終え(そして2019年の発売に向けて中国工場の完成を待つ)ポールスター2と3もほぼ出来上がっている。挑戦に立ち向かうべく準備は着々と進んでいるのだ。

ポールスターは顧客に主としてネット上で接しようとしている。クルマは3D画像で見られるし、わざわざ通常のショールームまで足を運ぶこともないのだ。

ポールスター1はボルボのコンセプト・クーペとして2013年末に生を受け、今日ボルボの大型車種に応用されているSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)の柔軟性を示すために造られた美しい2+2ボディをまとっていた。

市場の反応は良かったが、問題があった。これをふつうのボルボと同じように売るわけにはいかない。販売数に対してコストが高すぎるのだ。さらに……。

「製品の立ち位置を定めるのにほぼ2年を費やしました」インゲンラートは語る。

「ポールスター1がまだコンセプト・クーペだったときは、多くの注目を集めました。これを本当に造るのか関心は高かったのですが、通常のボルボと同じようには行かないことは明らかでした」

「単に採算ベースの問題だけではありません。デザイン面でもボルボからあまりにかけ離れていましたし、このプロポーションはGTの範疇にこそ相応しいと思っていたのです」

「このコンセプト・クーペはポールスター事業全体に拍車をかけ、ボルボの高性能電気自動車ブランドとして育てていく後押しとなりました。(ポールスターは)新鮮な名前だし、多くの言語に通りがよく、ボルボのみに関わりますがより明確な使命を担います。ヨーテボリはこの会社を手に入れ、有難いことにブランドを再構築してくれました」

「そしてコンセプト・クーペをさらに新しく、鉄よりも軽く強いカーボンファイバー・ボディでの再設計を始めました。同時に、ハイブリッドの動力系統もより高いレベルで新開発されました」

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