ポールスター訪問 CEOトーマス・インゲンラートに聞く、苦悩と未来
公開 : 2018.02.24 15:10
ボルボとポールスターは「家族」
ポールスターが安価に目標に到達する唯一の手段として、新しいデザインのクルマにボルボのコンポーネントを適切に流用することについては「何も隠すことはない」とインゲンラートはいう。
「われわれは家族です。だから共有する価値観もあります。一定の製造品質と実用性、そして安全性。ポールスターだからといって安全を犠牲にはしません」
このご時世、ポールスターの限られた研究資金をどこに注ぐかを賢明に定めるのが本当の経営能力になってくるとインゲンラートは言う。
彼はポールスターの生産を3台あわせて「5年で5万台前後」と目論み、それまでにさらなる拡充をと考えている。ボルボとホワイトボディを共有することはないにせよ、ボルボのチューニング車を造る権利はまだあるのだ。
もっとも彼によると「そういうのも好きですが、それはあくまでボルボです」
他に似たところと言うと? 両ブランドとも、うまく象徴とした現行の「トール・ハンマー」型ヘッドライトの意匠は利用するだろう。全体形を作る方法は互いに異なるが関係性は見てとれるものになると、インゲンラートは約束する。
インタビューの時間が尽きた。インゲンラートは今や厳しい仕事をふたつも抱え、それらをうまくこなさねばならないのは明白だ。にもかかわらず、夜はちゃんと眠れるのかというわたしの心配を彼は涼しい顔ではね除け、わけもなく語った。
「こういう所では、自分だけで仕事をしてはいけないのです。良いひとに恵まれています。それこそが、事がうまく運ぶ理由なのです」