アルピナD5 S 2018年モデルに試乗 ディーゼル/内装/乗り心地検証
公開 : 2018.03.02 12:20
「買い」か?
「他にライバルがほとんどない」
もしD5 Sが好みであれば、他にライバルとなる車種はほとんどないだろう。不利な点があるとすれば、特殊なパワートレインを持つことによりアルピナ特有の値崩れの少なさが不明なことくらいだ。
それはさておき、このD5 Sは6万2000ポンド(923万円)からで、1785ポンド(26万6000円)の追加で電子制御スタビライザー付きのアダプティブ・ダンパーを選択できる。さらに995ポンド(14万8000円)支払えば高速域での敏捷性を増す四輪操舵を追加できる。これらの装備は追加する価値のあるオプションだ。
この個体のように、さらに装備を追加することもできる。
このクルマは8万6690ポンド(1290万円)もするのだ。デカール類はもちろん無償オプションだが、ヘッドアップ・ディスプレイやシートヒーター、電動テールゲート、Apple CarPlayなどは有償。アルピナらしい快適なドライブをするためにはおそらく7万ポンド(1042万円)ほどは必要だろう。
比較のために、新型のアウディA7スポーツバックのディーゼルモデルは286psで5万5000ポンド(815万円)前後からで、M5は9万ポンド(1333万円)ほど。これはあまり有効な比較ではないかもしれないが、パワフルで扱いやすく個性的なディーゼル・サルーンとしてはD5 Sは唯一無二の存在だ。これがその価格に見合うかどうかは個人の判断だろう。
いずれにしても、ノーズに青と赤でキャブレターとクランクシャフトが描かれたバッジをつけたアルピナが英国では毎年1600台前後登録されていて、このうちのほとんどがディーゼルだということはたしか。
もちろん、B5ビターボなどのガソリン車のほうが古典的な人間味があるが、D5 Sも素晴らしいクルマであることは間違いない。古い考えでこの選択肢を排除してしまうのは少々不公平だろう。