ランサー・エボVI トミ・マキネン・エディション vs インプレッサ22B STi 前編
公開 : 2018.03.03 11:40 更新 : 2018.03.03 14:07
エボ、走らせてみると……
とても冷え込んだ火曜の朝、夜明けに程遠い時間帯にエボのエンジンは騒々しくもにぎやかにアイドリングしている。
少し走らせてみたが、こんな凍えるような夜明け前では、ダンパー内のオイルもミキサー車のなかのセメントのようで、低速での乗り心地は硬く、ダンピングなど全く効いていないようだ。
コーナーにのろのろとクルマ全体を放り込んでみても、次の瞬間には道路の穴や沈んだマンホールの蓋にはまり込んだボディ全体が抵抗を示すかのようにガタガタという。
オイルが温まってくると、乗り心地も落ち着きを見せ始めるが、本当の変化のためには速度を上げてやる必要がある。80km/hを越えると、このクルマはまるで路面から1cmほど浮いているかのように滑らかに進みはじめる。
路面と格闘するというよりも、滑空しているかのようで、すべてが突然しなやかで滑らかになるために、3速から4速へとシフトをしている間にサスペンションが全部交換されたのではないかと思うほどだ。
ひどく荒れた道では、まるでサスペンションアームなど存在しないかのように、サスペンションが必死にホイールの動きに追従してボディを落ち着かせているのが感じられる。路面にできた不自然なバンプなどはボディまで伝わるが、荒れ地に広がるアスファルトの下にある自然のうねりなどは素晴らしいサスペンションがうまく吸収してくれる。
トミ・マキネン・エディションのサスペンションがターマック・ラリー用にチューニングされていることなど、カタログで確認する必要もない。
ワインディングから平地へとステージが変わり、4速や5速を使うようになると、エボは神経質なところを見せる。