いよいよジュネーブ・モータショー開幕 会場を彩ったスターたち 後編
公開 : 2018.03.04 16:40 更新 : 2019.05.04 13:03
大メーカーからコーチビルダーやバックヤードビルダーのような小規模ブランドまでが数多くブースを並べるジュネーブモータシショー。その歴史を彩ったスーパースターたちを、前編に引き続きご紹介します。そして今年は? AUTOCARも総力取材します。お楽しみに。
メルセデス・ベンツ・ヴァリオ・リサーチ・カー(1995年)
メルセデス・ベンツが生み出した1台4役のコンセプトカーは、量産こそされなかったが、その後の生産車に影響を見いだせる。ヴァリオ・リサーチ・カー(VRC)と名付けられたそれは、ユーザーが好みで上屋のルーフ以降を交換でき、クーペ、オープン、ワゴン風のハッチバック、ピックアップへと姿を変えることができる。メルセデスによれば、トランスフォームの所要時間は15分以内だという。
安全性やコスト、パッケージングなど、これが実用化できない理由はいくつも思いつく。また、メルセデスにはクーペとオープンがすでにラインナップされており、その両方を兼ねるSLKを、このVRCからほどなくして発表したから、それらの類は不要だった。さらに、最近になってXクラスと銘打ったピックアップを用意したが、当時はこのブランドがトラックを設定するなど、誰も想像できなかった。
ただし、実用ハッチバックの商品化は、シュトゥットガルトで検討されていたようで、VRC発表の2年後には初代Aクラスが誕生。それはブランド初の前輪駆動車だったが、このVRCもまたFFレイアウトを採用していたのである。