いよいよジュネーブ・モータショー開幕 会場を彩ったスターたち 後編
公開 : 2018.03.04 16:40 更新 : 2019.05.04 13:03
フォルクスワーゲンW12ロードスター(1998年)
かつてフォルクスワーゲンは、世界の自動車市場をVWブランドで征服しようとしていた。このW12ロードスターは、その頃に生まれたコンセプトカーだ。華のない大衆車メーカーであるウォルフスブルグの会社が、世間の予想を裏切るセグメントへの進出を模索していた頃、と言い換えてもいい。前年の東京で発表したW12シンクロは、彼らがフェラーリなどのスーパースポーツへいかに挑むかを示すものだった。そのオープン版をこうしてジュネーブで披露したことには、この無謀とも思えるチャレンジの本気度がうかがえた。
このほかにも、新たなジャンルへの挑戦は続いた。99年発表のコンセプトDは、10気筒と12気筒も揃える高級サルーンのフェートンになり、パサートにはW8ユニット版を設定。2000年のAACコンセプトは、初代トゥアレグの雛型になった。しかし、W12スーパーカーは、ついに幻想の殻を破ることができなかったのである。