アストンOne-77やフォードGT 生産の立役者、マルチマティック副社長インタビュー

公開 : 2018.03.04 11:40

ホルトの送ってきた人生

ここ数年の間に、ホルトは高度に洗練された少量生産のスーパーカー・プロジェクトで傑出した成果を上げた。先にも書いたがマルチマティック社が関係したアストン マーティンOne-77とヴァルカンおよび最新のフォードGTである。

ともにル・マンで優勝し、現在1000台の市販車が製造されている。メルセデス-AMGのプロジェクト1の仕事もひそかに継続している。

フォードGTは、マルチマティックにとって最大のスーパーカー契約である。カナダのマークハムにアッセンブリー専用の工場を建設し、カスタマー・デリバリーの直前までマルチマティック社がクルマ自体を製造している。

ホルトは初年度のことを「本当の地獄」と呼ぶ。しかし事態は落ち着き、クルマのオーナーからは製造品質についての賛辞が寄せられ、フォードはご満悦の様子だ。「そのビッグネームに違わぬ品質を必要としているのはフォードなんですよ」とホルトは言う。

幼少のころ、ホルトは「寝室の窓からワイト島が見えた」英国南部の海岸地方で過ごした。BSA(バーミンガム・スモール・アームズ社)のワークス・ライダーだったカナダ人の父は、ラリーが8歳のときに生活のためクルマもバイクも売り払い、家族はトロントに移住した。

彼は幼少期後半をマークハム近郊で過ごした。「オートバイが好きでしたね」と彼は言う。

「14歳になったとき、父の仲間のひとりがローラT212を買ったんです。それでわたしは彼の手伝いをするようになったんです。15歳のときにはヒューランドのギアセットを交換していました。スパナを握ることが天職なんだと感じました」

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