サムスン、自動車産業で勝機あるか 自動運転システム、各メーカー熱視線
公開 : 2018.03.10 19:40
スマートフォン最大手のサムスンは新たな有望分野を見定めました。自動車メーカーと組んで自動運転システムの開発に乗り出したのです。クルマはつくらず、技術は売る。同社のもつ技術と戦法に各自動車メーカーが熱い視線を送っています。ライバル4社もまとめました。
もくじ
ー 「クルマの製造はいたしません」
ー サムスンは何を狙っているのか?
ー 自動車メーカーからの熱視線
ー 番外編1 サムスンのライバル4企業
ー 番外編2 サムスン、自動車産業参入の歴史
「クルマの製造はいたしません」
自動運転システムを持つクルマは増加の一途をたどり、それに伴って技術力のあるメーカーが自動車産業へ進出する機会もますます増えている。世界最大のスマートフォンメーカーも、自動運転分野の覇者となるべく今や5億ドル(500億円)以上の投資を行っている。
といってもAppleの話ではない。
サムスン電子のことだ。昨年のスマートフォン・マーケットのシェアは、Appleが14%だったのに対してサムスンは19%。すなわち、この韓国企業は1時間に4万4000台のスマートフォンを製造し、1年で6億6000万台以上のコネクテッド・デバイスを販売しているのだ。
サムスン電子はシリコンバレーにある戦略イノベーション・センターにおいて自動運転と高度ドライバー支援システム(ADAS)の研究開発をひそかに進めている。センターのスマート・マシン技術部長であるデーブ・アンダーソンによれば、このビジネス・ユニットのミッションは「次世代技術への投資」である。
加えて「今シリコン・バレーでもっともホットなテーマは自動運転システムとその関連技術」なんだそうだ。
重要なのは、サムスンにはクルマ自体を製造する気はないということ。ライバルのAppleがかつて行ったように。そうではなくて、Drvlineと呼ばれるソフトウェア/ハードウェア混在のオープン・プラットフォームの開発に注力している。これによってサムスンは、メーカーが自動運転のクルマを開発する際すぐにパートナーになることができる。