サムスン、自動車産業で勝機あるか 自動運転システム、各メーカー熱視線
公開 : 2018.03.10 19:40
サムスンは何を狙っているのか?
この18カ月間に、サムスンとハーマン(2017年に80億ドル(約8000億円)で買収した自動車技術の子会社)の1000人ものエンジニアが自動運転システムの開発を進めている。
すでにサムスンは、自動運転プラットフォームのフレームワーク開発におよそ7000万ポンド(104億円)を費やしており、同時に革新的な自動運転システムを開発している会社にも投資を行っている。
さらにアンダーソンが「パートナーのエコシステム」と呼ぶ仕組みを構築するために1億ポンド(149億円)をスタート・アップへ投資している。このエコシステムは、次世代コンピュータ、センサー、ソフトウェア、通信技術、それにUX(ユーザー・エクスペリエンス)の5分野からなる。
サムスンはまた、クルマのイノベーションに特化した2億1200万ポンド(316億円)規模のファンドを立ち上げた。自動運転システムに必要な技術を持った会社にさらなる投資を行うためである。最初に投資したのはソフトウェア・インテグレーションを専門とする会社TTTechだ。
アンダーソンはこう説明する「1社ですべてできるパートナーなんて存在しません。よくわかっていますよ。われわれも1社ではできない。ですから、この産業全体をしっかりと調査して、見つけたベストな技術をすべてつなぎ合わせてDrvlineプラットフォームを構築しようとしているのです」
オープン・プラットフォームは、選択に応じてメーカーが自由にカスタマイズしたり拡張したりすることができる。また自動運転技術の進展に従って、それ自身が進化しバージョン・アップされていく。例を挙げよう。
ハードウェアは(「ハンド・オフ」と呼ばれる)レベル2の自動運転能力を持ったベーシックなボードだとする。このベースボードは2基のサムスン製プロセッサーでクルマとやり取りを行う。これにサムスン製ないしパートナー社製のサブ・モジュールを追加することにより、プラットフォームの能力やプロセッサーのパワーを向上させることができるのだ。