コンパクトSUV、何を買うべき?(2) 予選ラウンド 後編
公開 : 2018.03.11 11:40 更新 : 2021.03.05 21:43
一長一短のインテリア
それでもアウディが欲しいというユーザーの多くは、フォード・クーガなど安っぽくて眼中にないというだろうが、室内の広さにかけてははるかに上だ。体格のいい大人であっても、前後どちらの席でも快適に過ごせる。
とはいえ、個人的には長時間乗るのがうれしいキャビンだとは思えない。それは、マテリアルやフィニッシュが上等なクルマと見比べたからそう思うのではない。ダークグレーのプラスティックに覆われた室内(写真左)は、あまりにモノトーンで面白みに欠ける。そして、見た目も手触りも平凡すぎる。
その対極にあるのが、DS7クロスバックのインテリア(写真右)だ。デザインは華やかさを極め、大きなペンダントを思わせるウインドウスイッチや華麗なエアベントに飾られる。試乗車はパフォーマンス・ライン仕様で、アルカンターラのトリムも奢られる。4万ポンド以下の価格帯で、これよりリッチで目を引く内装のクルマは見つけられないだろう。
ただ、エンジンスタートのボタンはどこにあるのか、なかなか見つからない。初めて乗ったら誰でも、発見するまでに30秒以上かかるはずだ。デジタルメーターは、見やすさよりも見栄えを優先しているのが確実。インフォテインメントはスクリーンが非常に大きく、表示がクリアで、操作も非常にしやすいのだが。
つまりそれは、楽に扱うことより、注目を集めるためにデザインされているのだ。そうしたいのはもっともだが、正しい判断かどうかは別の話である。これならば、控えめながらも高級感があり、うまく広さを確保し、本質的にリラックスでき、地味な仕立てのティグアンの方がマシだ。