アストン マーティン ヴァルキリー兄弟モデル開発 マクラーレンP1のライバルへ
公開 : 2018.03.13 16:10
488のライバルも開発中 AMGとの協業も選択肢
「マクラーレン720Sのほうがドライバーズカーとしては素晴らしいという意見もありますが、われわれのターゲットはフェラーリです。なぜなら、このフェラーリには最も優れたパッケージがあるからです」とパーマーはいう。
「このフェラーリは驚くほどのダイナミクス性能と、だれもが見惚れてしまうようなルックスという、すべてと言っていいほどのものを併せもっており、とりわけ、常にわれわれが口にする、すべてのアストンはクラス最高のモデルでなければならないという点でも、このクルマは目標なのです」
「デザイン・チーフのマレク・ライヒマンとマックス・シュヴァイ、それに彼らのチームにとっては、もちろんチャレンジですが、彼らには既に素晴らしいデザインとハンドリング、それにパフォーマンスを実現してきたという実績があります。マレクもマックスも素晴らしいリーダーであり、われわれが必要なものを実現するためのドリームチームを作り上げました。アルファやフェラーリ、そしてマセラティから、最高のシャシーとエンジン、それにデザインを作りだすために必要なスタッフを集めたのです」
パーマーはさらに以前AUTOCARに対して、488のライバルモデルには完全新設計のパワートレインが搭載されることになるだろうと明らかにしているが、詳細については依然として沈黙を守っている。
マクラーレンは、ハイブリッド・テクノロジーや、専用設計のパワートレインが搭載される可能性を否定しないが、「ヴァルキリーの兄弟」との価格差を考えれば、そうした技術が採用されることはないだろう。
「現時点ではわれわれには必要とされるパワーを発揮できるだけのエンジンはありません」と彼はいう。「AMGとの協業を通じてか、われわれ自身の手で行うか、ともかく方法を見つけ出す必要があります」
ますます成長 才能を惹きつけるには創造性がカギ
488のライバルは、今年後半の公開が予定されているフロントエンジンのスーパーカー、DB11、ヴァンテージとヴァンキッシュとともにゲイドンで生産されることになるだろう。
さらに2019年の登場が予定されるSUVモデルのDBXは、ラゴンダ・ブランドの2モデルとともに、ウェールズのセント・アサンに建設中のアストンの新工場での生産が計画されている。まずはサルーン・モデルが2020年から、続いて2022年からSUVモデルの生産が始まる予定だ。
現在アストンではその成長にともない、エンジニアリング部門を中心に400ものポジションでスタッフを募集している。パーマーはアストンの拠点がミルトンキーンズとセント・アサンに拡がったことで、必要な才能を集めるに際して、もはや近隣のジャガー・ランドローバーと競合することはなくなったと話す。
「素晴らしい成長ですが、成長に必要な才能を惹きつけるためには、イノベーティブである必要があります」と彼はいう。「しかし、重要な点は、アストンが日々さらに素晴らしくなっているということです。われわれはすべての人びとに対して、アストンが重要な存在だと示し続けることができています」