英BBRチューンのマツダMX-5 1.5に試乗 「さりげなさ」という美学
公開 : 2018.03.14 11:40
MX-5のよいところを伸ばす方針
キャラクターについて言えば、新発見なのがスロットルを閉じたときだけでなく開けた時のアジャスタビリティ。暴力的なまでの下りの速さよりも、タコメーターの上限まで回す心地よさの方が印象的だった。
搭載されるツインスクロールターボは比較的大きく高回転型だが、低いブースト圧から機能するので、実際には、トルクは3500rpmで若干上がって最大を迎える。
ピークパワーはノーマルと同じく7000rpmで発生し、このクルマの高いパフォーマンスのために、限界まで回すのがより楽しくなる。しかしこの時、同時にこのクルマの弱点も見えてしまうかもしれない。
細かいことだが、全開付近のスピードだと、サスペンションの限界が見え始め、スピードについていけなくなるのは少し気になる。
お世辞にも完璧とは言えない路面、特に濡れた路面では、垂直方向のコントロールに苦労し、シャシーが地面を掴まなくなる。
試乗車はスプリングが固められているため、この世代のMX-5にありがちな大げさなボディロールは軽減されていたが、標準のエイボンのタイヤのグリップには寄与しなかった。
もし2.0ℓのMX-5には標準で装備されるビルシュタインのダンパーがあればもっと良かったのかもしれないし、このクルマのオーバーステアのしやすさを考えると、同じく2.0ℓには標準装備のLSDもあると良いだろう。
ついでに言えば、BBRは2.0ℓのエンジン向けのステージ1ターボキットも提供しており、こちらは251ps、0-97km/hで5秒フラットを叩き出す。