マツダ「SKYACTIV-X」詳細 新アーキテクチャー、なぜ乗り心地がいい?
公開 : 2018.03.14 18:10
HCCIへの解決策「SPCCI」 車体も新SKYACTIV
通常よりも高い16:1という圧縮比によって、希薄な空燃比下でも自己着火が可能なほどの圧力を作り出すことはできるが、それでも十分ではない。続いて少量供給された燃料がプラグによって着火され、火炎球が形成されることで、シリンダー内の圧力がさらに上昇し、自己着火が可能となるのだ。
SKYACTIV-Xエンジンはほとんどの作動域でこのリーン燃焼モードの燃焼を行うが、ドライバーが強くアクセルペダルを踏んだ場合には、他のガソリン燃焼エンジン同様、14.7:1の空燃比で、スパークプラグによって着火する通常燃焼モードに切り替わる。
SPCCIは、10年ほど前に多くのメーカーが挑戦し、そして諦めざるをえなかったHCCI(homogeneous charge compression ignition:予混合圧縮着火)の進化系となる。最大の課題はHCCIから通常燃焼モードへの切り替えだったが、マツダはSPCCIでこれを解決することに成功したのだ。
新SKYACTIVアーキテクチャー 乗り心地/ハンドリングも○
また、エネルギー効率を改善するため、新SKYACTIVアーキテクチャーもより軽量となっている。ウエイトダウンにより、路面からキャビンへのショックを軽減し、滑らかな乗り心地を実現したのも特徴。軽量なスチール製コンポーネントを用いた、強化された骨格によって、ハンドリングと乗り心地を改善し、「減衰ボンド」と呼ばれる小型パーツを重要な接合点に追加することで、キャビンへ伝わるノイズと振動の軽減を図っている。
この新型エンジンは、昨年の東京モーターショーで初公開された魁コンセプトの2度目の公開にあわせて発表されている。「魁」のクリーンなラインは、SKYACTIVアーキテクチャーをベースとする次期マツダ3のスタイリングを示唆したものだ。