フォード・マスタングGT5.0 V8 AT試乗 ビッグマイナーチェンジで魅力向上 理想はMT

公開 : 2018.03.16 10:40  更新 : 2018.03.16 10:43


「買い」か?

10速ATも良質だが、叶うならMTで楽しみたい

マスタングはエキサイトさとエモーションを兼ね備えたクルマだと言え、徐々にではあるが、洗練度も増している。近似するパフォーマンスを持つライバルと比較して、4万ポンド(600万円)ほども安価で、明確なキャラクターを持つスポーツクーペであることは間違いない。

実際、フォードの予想よりもマスタングの売れ行きは好調で、このご時世において、ヨーロッパではすでに3万台以上が販売されている。今回のフェイスリフトで新鮮さを取り戻すとともに、モデルラインナップの合理化も図りつつ、販売数を伸ばす計画だ。ボディカラーの選択肢が増え、ホイールやシート、その他のオプションも追加されている。

ポニーカーの中でも駿馬と言えたマニュアルが選択肢から落ち、ヨーロッパ・フォードの技術チームは、新しい2ペダルの10速ATで納得しているようにも思える。しかし、このクルマのベストは、なんと言ってもマニュアルだ。

AT化のメリットのひとつとして燃費もあげられるが、10速ATに搭載されたオーバードライブを駆使しても、6速マニュアルと比較して、NEDCサイクルで0.2km/ℓしか燃費は改善していない。将来のオーナーにとって、この数字は魅力的に映るのだろうか。

実際の使用シーンでは、この差は小さくなると思われるし、運転の仕方によっても大きく変わるはず。マスタングのわずかな燃費の差を気にするほど、クルマを楽しめる人生の時間は長くない。

繰り返しになるが、ヨーロッパ・フォードには、マニュアル版の導入を期待せずにはいられない。

フォード・マスタングGT5.0 V8 ATのスペック

価格 4万3095ポンド(646万円)
全長×全幅×全高
最高速度 249km/h
0-100km/h加速 約4.0秒
燃費 8.2km/ℓ
CO2排出量 270g/km
乾燥重量 1831kg
パワートレイン V型8気筒4951cc
使用燃料 ガソリン
最高出力 450ps/7000rpm
最大トルク 53.6kg-m/4600rpm
ギアボックス 10速AT

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