ダラーラ・ストラダーレ試乗 初のロードカー市販 乾燥重量855kgに400ps
公開 : 2018.03.26 11:10 更新 : 2018.04.05 15:45
ダウンフォースは神の手のごとし
非常にグリップ力の高いセミレーシングタイヤの本領を発揮させるには、コーナーをいくつか抜けて温度を上げる必要があるが、ストラダーレの潜在能力を知るには、さらに慣熟走行を要した。
わたしはファクトリー・テストドライバーのマルコ・アピチェラが駆る先行車に付いて走る。彼は無線を通して説明を加えながら、徐々にペースを上げていくのだが、すべてのタイトコーナーで指示するシフトは、始めのうちは少なくとも1段は高く感じられた。
しかし速度が徐々に上がっていくと、彼の指定するシフトが正しいことに気づく。ダウンフォースは神の手のようにクルマを支え、ストラダーレを異常と思えるようなスピードでコーナリングさせてくれる。ステアリングフィールも、ダウンフォースに合わせて重くなる。
一般道では重すぎるとは感じなかったのだが、ナルドを3周も回れば、上半身はトレーニングジムにでも行ったかのような感覚になる。シャシーは、低速域で備えていたアジリティとコントロールの幅が狭くなり、トラクションの感覚もほとんど消えてしまう。唯一、低速コーナーでの滑り出しのヒントが得られる程度。それほど圧倒的なグリップ力なのだ。
ストラダーレには電子制御のスタビリティコントロールが備わるが、サーキットでのペースでも、ほとんど介入することはない。ブレーキの効きが鋭すぎることには変わりないが、ブレーキを使用する時間の短さには、本当に感銘を受けた。