ポルシェ・カイエン・ターボS
公開 : 2013.02.28 16:27 更新 : 2017.05.29 19:07
■どんなクルマ?
2215kgのボディを0-100km/h加速4.5秒で引っ張るという事実。そして、最新のポルシェ911カレラSほどではないにしろエアロ・ダイナミクスに仕上げられた車体は283km/hというトップスピードを達成する。それでいて、第2世代のカイエンは、オフロードでもその実力を発揮する。それは273mmというロード・クリアランスを持つエア・サスペンションと最新の電子制御のトルク・ベクタリング4WDハードウェアによって導き出されるものだ。
エンジンは、カイエン・ターボに搭載されていたV8に手が加えられたもので、カイエン・ターボSのハイライトでもある。パナメーラ・ターボSにも搭載されるそのエンジンは、90度のダイレクト・イグニッションが与えられ、フリーフロー・インレット・マニフォールドなどが再設計され、ターボチャージャーの過給圧が高められ、そして電子制御のリマッピングが行われた結果、49bhpパワーアップした542bhpを発揮する。これまでのポルシェのオフローダーでは最強のエンジンだ。また、トルクも5.1kg-m上がった76.5kg-mを、2250rpmから4500rpmの間で発揮する。
パナメーラ・ターボSは7速のPDKが組み合わせられていたが、このカイエン・ターボSには従来のトルクコンバーター・タイプの8速ティプトロニックが組み合わせられることになる。
■どんな感じ?
アップグレードされたエンジンは、タウン・スピードであっても、驚異的なペースであっても、リラックスしたドライブを約束してくれる。それは天候や季節にかかわらずだ。しかも、嬉しいことにこのパフォーマンスの上昇にかかわらず、その燃費は8.7km/ℓとカイエン・ターボと変わることがない。
しかし、その爆発的な加速は、実はドライバーには伝わらないのだ。というのも、直進安定性が素晴らしすぎるからだ。
ただし、その乗り心地は、荒れた路面ではコンフォート・モードであっても、時折不快に感じるほど固い。
ダイレクト・エレクトリック・メカニカル・ステアリングや、優れたタンパー・コントロール、そして強力なグリップは、カイエン・ターボSに敏捷さをもたらすため、その大きさが気にならない。
スポーツ・モードにすると、重心を低くするために全体的な車高が183mm低くなるが、そうなると印象的なほどダイレクト感が増し、コーナーへの侵入も脱出もより素早くなる。
■「買い」か?
107,460ポンド(1,500万円)と高価だが、これまでに造られたどんなオフローダーよりも能力がある1台だ。純粋なエンジニアリングがこのクルマを築き上げたといってよいかもしれない。
ただ、カイエン・ターボSよりはその全体的なパフォーマンスは劣るが、カイエンGTSの67,147ポンド(937万円)という価格の安さと、そのシャープなレスポンスも捨てがたいのは事実だ。
(グレック・ケーブル)
ポルシェ・カイエン・ターボS
価格 | 107,460ポンド(1,500万円) |
最高速度 | 283km/h |
0-100km/h加速 | 4.5秒 |
燃費 | 8.7km/ℓ |
CO2排出量 | 270g/km |
乾燥重量 | 2215kg |
エンジン | V型8気筒4083ccツインターボ |
最高出力 | 542bhp/6000rpm |
最大トルク | 76.5kg-m/2250rpm-4500rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |