2018年型フォルクスワーゲン・トゥアレグ 試作車に試乗 サイズ感じぬ動的性能
公開 : 2018.03.27 18:10
大きさ感じさせず シャシーが要因
シャシー性能の向上により、トゥアレグは非常に良い走りをしてくれた。エアスプリングにより高級サルーンのような洗練された乗り心地を実現すると共に、電動パワーステアリングはキビキビとして正確だ。
一方で、後輪操舵は低速域で非常に有効であった。この大きなトゥアレグがロンドン・タクシーのように小回りが効く。後輪操舵システムはカイエンと共通だが、チューニングの違いにより全く異なる印象だ。
VWのシャシー部門はこのクルマの旋回軸を後席付近に設定しているようだ。これは、カイエンがクルマの中心を軸に旋回している点と異なっている。
それでいて、VWはトゥアレグを運転する楽しさを追求している。どのモードでもそうだが、特にスポーツモードにおいてはセダンと同じように走らせることができるだろう。車重や重心高を意識する必要はない。
これらは全て優れたシャシーのおかげで実現されている。アクティブ・ロールバーはロールを半分程度に抑制してくれる。これは安定感を与えてくれる一方でタイヤからのインフォメーションを打ち消しすぎるほどではない。
そして、もしアンダーステアやオーバーステアになりそうな場合は、クルマが自らロールバーの働きやダンパーの減衰力を調整して安定を保ってくれるのだ。このとても賢いシステムのおかげで、SUVなのにSUVらしくない走りをしてくれる。
もっとも印象的だったのは、これらの制御がとても自然で、人工的な感じがしないことだ。また、パワフルな方のV6ディーゼルはとても強力でレスポンシブである一方で、落ち着いて走りたい時には非常に上品だ。
ただし、ギアボックスのコンフォートモード時のレスポンスだけはイマイチだった。製品版のローンチまでに改善を望みたい。