新型フォード・マスタングGT 5.0試乗 希少な自然吸気V8 「前時代的」という魅力
公開 : 2018.04.02 10:10 更新 : 2018.04.02 11:33
どんな感じ?
野性味溢れるエンジンをマニュアルで操る
4.8mをわずかに切る全長に、およそ2mの全幅。狭い都市部では特に、路上専有面積を意識せざるを得ない大きなマスタングのボディ。それに合わせて車重もそれなりで、6速マニュアルで1743kg、オプションの10速ATでは1756kgとなる。
マスタングを駿馬たらしめるのが、エンジン。自然吸気のV8は絶滅危惧種だから、手に入る内に味わっておきたいところだ。
3500rpm以下なら、少し気だるい、ゆったりとしたフィーリングで、遠くで響く雷鳴のようなサウンドトラックが薄っすらと聞こえる程度。ギアが高い段数に入った状態なら、アクセルペダルを深く踏み込んだとしても、急激な加速が襲うようなことはない。
このエンジンはドライバーによるマニュアル操作が求められる。もし急進的な変化が欲しいなら、シフトノブの先端に付くボールを手で動かして、変速すればいい。6速マニュアルのストロークは短く、重さも適正で動きもしっかりしているから、エンジンの回転数を最適に保つのに、相性は良好だ。
回転数を上げれば、クルージング向きだったエンジンのキャラクターは、野性味溢れたものに変貌する。レヴリミットが近づくにつれて、穏やかだったエグゾーストノート音はゾクゾクするような深みのあるバリトンボイスに声変わり。この状態でのスロットルレスポンスは極めて即時的なもので、右足に力を入れれば、高速道路の制限速度くらいなら、あっという間に到達する。