新型フォード・マスタングGT 5.0試乗 希少な自然吸気V8 「前時代的」という魅力
公開 : 2018.04.02 10:10 更新 : 2018.04.02 11:33
ハンドリングもインテリアも納得の仕上がり
マスタングのハンドリングの重さは適正なもので、ノーマル、スポーツ+、レースのドライビングモードに合わせて重さが変化する。フロントタイヤからのフィードバックはそれなりで、カミソリのように鋭いわけでもないが、充分にクイックで、マッスルカーというキャラクターにはピッタリだと思う。
マグネライドの設定も、コーナリング時のボディコントロールは満足できるものでありながら、乗り心地を犠牲にするほどの硬さでもない。低速域では落ち着かない感じだが、不快と言うほどでもないだろう。
乱雑なドライビングをすれば、さすがにリアタイヤは外にスライドアウトするが、グリップ力の高さは称賛に値する。レーザーで加工された精密なマシンというよりも、力任せのハンマーといった印象ではあるけれど、それは褒め言葉で、優れた味付けだと思う。
インテリアは、4万ポンド(600万円)のBMWと比べると質感の部分では劣ってしまうが、落胆するほどでもないと思う。新しいデジタル・インスツルメントパネルの解像度もシャープで、アニメーションやグラフィックも悪くない。
SYNC3にも対応したインストルメントスクリーンが備わるが、太陽の光が差し込む方向によっては可読しにくくなるのは難点。オプションのレカロシートは、サイドサポートの峰が高く、シフトチェンジ時は邪魔に感じるひともいるだろう。
いくつか細かい不満点はあるとしても、全体的にマスタングの車内は快適だ。風切り音も最小限に抑えてあると思うし、19インチアルミホイールからのロードノイズが少し気になるとしても、超距離クルーザーとしては素晴らしい仕上がりだと言える。