長期テスト BMW M135i(1) 中古購入 欠点をクリア
公開 : 2018.03.30 18:40 更新 : 2018.06.28 11:30
M135i 気になるところ
見た目については、大きな三角形のヘッドライトが気に入らないこと以外はまずまずだ。後方に引っ張られたキャビンや、窓の下端からフロントアクスルまでの長さが後輪駆動であることを主張していてとても良い。
最も大きな問題点は、運動性能だ。このクルマは70%くらいまでのペースで走る分にはとても良いのだが、それ以上引っ張ったり難しい道になると途端に破綻しはじめるのだ。
自信を持って攻め込めるようなステアリングの正確さや、引き締まった身のこなしは無い。小さなジャンプと着地を繰り返すような場面では海の上にいるかのようなダンピングをしてしまう。ダンパーの2種類のどちらのモードを選んだとしても、凹凸を超えながら緻密なコントロールをすることができない。
公正を期すために言っておくが、この相反するふたつを両立できるのは非常に優れたクルマだけだ。M135iに乗っていたら、嵐に巻き込まれたボートのようなボディの上下動に、おもわずアクセルを戻してしまうことだろう。リアが上下左右に振り回されるような感覚があるのだ。
そして、LSDが装備されていないことも気にかかる。多くの場面でこれはさほど問題とならないが、路面がウェットの際にはトラクションコントロールの世話になる場面が多いように感じる。ドライ路面においても、コーナーをスライドさせて駆けぬけようとしても内側が無意味に空転するばかりでトラクションがかからず不快だ。
このように、改善の余地は多々ある。そこで、われわれはこれから数カ月かけてこのクルマのパフォーマンスを満足いくものにアップグレードしていくことにした。