F1 2018、頭上のアレ 名前は「ハロ」 ダサい? 視界は? 材質は?
公開 : 2018.03.31 11:40
「ハロ」 導入への決定打とは
決定打となったのは、2016年オーストラリアGPで起こったフェルナンド・アロンソの転覆事故を模した再現実験で、ハロが安全性を損なわないと結論づけられたことだった。
「ちゃんと機能するよう、ハロの構造を支えるのに必要なシャシー強度も見きわめる必要がありました」とメラーは続ける。「ハロにかかる負荷は転覆時にマシンの主要ロール構造体にかかる負荷に近いので、まとめて考える必要があります」
「そしていまやハロは第2ロール構造体ととらえられていますので、主要ロール構造体よりも高い負荷の試験をしています。飛来物からだけでなく、転覆のような事故からもドライバーを守る重要な役割をになっているわけです。安全性ははじめ想定したよりも、はるか先を行っています」
比較としてあげれば、ハロの飛来物や転覆への防御力はル・マンのプロトタイプカーのクローズド・コクピットすら上回るのだ。メラーはさらに語る。
「前方視界と乗降性を考えて開口部を大きくすると、飛来物を食い止められなくなります。そこはハロの難点ですが、逆にF1マシンの設計手法にある意味助けられているともいえます。というのは、F1マシンのパーツの多くは軽量素材でできていますから、ドライバーにケガを起こすような重さのパーツはかなりサイズが大きくなるわけで、その分、ハロで防御しやすくなるのです」
とはいうものの、研究は続いている。