英・洗車ビジネスにも「ブラック企業」 見分けかたは? 立ち向かうNPO
公開 : 2018.04.01 11:40
「正しい」労働環境とは?
「業界で一番というのでは不十分です。われわれの目標は世界一になることですから」
わたしが面会した時のプローマンの言葉だ。(形は真似できても精神は真似できない、商売のカギは細部に宿る、ほとんどの商売人は愚かだ、というのも彼の言葉である)
しかし、彼の言うことでもっとも興味深かったのは次のようなものだ。
「われわれの事業の基本はコンプライアンスです。スタッフの身分が保証され、彼らが正々堂々と働けるよう、われわれはあらゆる合理的処置を講じます。全員がパスポートを所持しているので、身元ははっきりしています。最低賃金以上の給料を支払い、PAYEに基づいて税を払っています。ですから今月の後半にはスタッフ自身が選んだきちんとした借家に引っ越すんですよ」
労働者に対する彼流の福利厚生である。
労働環境についていうと、ラブ・ユア・カーはセインズベリーズ(英国のスーパーマーケット)の駐車場の角にしっかりした商標を出して営業している。両端にはふたつの社屋ないし部屋がある。ひとつは従業員用でリラックスしてテレビを見ることができる場所だ。もうひとつは顧客の受付オフィスである。
すべての売り上げを記録し蓄積するため、顧客には現金よりカードでの支払いをお願いしている。セインズベリーズで買い物をしている間、クルマの中の貴重品は20ある金庫に保管される。顧客は自分でカギを持ち、クルマが仕上がったらメールで連絡を受け取る仕組みだ。
ふたつの社屋に挟まれた広く舗装されたクリーニング・エリアは、清潔で整頓されており廃水もない。スチーム洗浄で使う水の量はたったの2ℓ、かかる時間は30分ほどだ。洗剤などは使用しない。