英・洗車ビジネスにも「ブラック企業」 見分けかたは? 立ち向かうNPO

公開 : 2018.04.01 11:40

ラブ・ユア・カーの仕事ぶり

ラブ・ユア・カーの作業員であるメーディ・ロスタミ、マーチン・ナスコフとマネージャのネイビット・マーツァイは、顔写真入りのIDバッジを身に着けており、砂が付く恐れのあるセーム皮ではなくマイクロファイバーのクロスを使ってクルマを拭き上げる。

作業員はサイドシルに足をかけて屋根に手を伸ばす代わりに脚立を使う。フロア・マットは泥やごみが付着しないようにカスタム・メイドのラックに吊り下げられ、スチーム洗浄されるようになっている。

すべてがとても良くできていて洗練されており、タンノイのスピーカーから流れるクラシック音楽がその印象を倍加している。わたしが訪問した時には、ビバルディの四季とオペラ歌手プラシド・ドミンゴ、それに「愛と哀しみの果て」のサントラが流れていた。キャンベイから遥か離れた大地を想像させる音楽だ。

わたしはスチーム・ノズルを持ちたいという衝動を抑えることができず、スタッフ・ルームに飛び込んで、つなぎに身を包んだ。ネイビッドはわたしにスチーム・ノズルを手渡し、「ウェット」モードにして顧客のQ5を任せてくれた。彼が言うには、スチームはジェット洗浄よりずっと優しいそうだ。ジェット洗浄では飛び石跡のペイントが剥がれたり、デカールの端がまくれあがったりするらしい。閉まったドアとアルミホイールを洗浄するのは確かに簡単だ。

お次はバルブをドライ・スチーム・モードにしてインテリアの清掃だ。アウディのダッシュボードとレザー・シートにスチームをかけるのは憚られたが、経験上、ほとんど濡れることはなく新品同様になる。

わたしがノズルをラックに戻したちょうどその時、オーナーのピーターとジルがセインズベリーズからQ5を引き取りに戻ってきた。ラブ・ユア・カーに来るのは10回目だそうだ。

「地元の清掃業者はみな仕事がいい加減ですが、ここは完璧に仕上げてくれるんですよ」とピーターは言う。「従業員は礼儀正しいし、フレンドリーです。また来ますよ」

Q5への仕事ぶりを見ると、わたしも自分の中古車をここに持ってきたくなった。地元の手洗い洗車場が従業員不足で顧客にもそっぽを向かれる昨今、一番いいのはキャンベイ島に来ることだと思う。AUTOCARから独立するかどうかは別にして。

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