英国のチームがディーゼルのNOx問題を解決 2年以内に実用化

公開 : 2018.04.07 18:10  更新 : 2018.04.09 12:45

商用化への道のり

小型車に関しては、急激にディーゼルが減少すると考えることは現実的ではないだろう。市場の専門家は、ユーザーが急にダウンサイズされたガソリン・エンジンやハイブリッドに乗り換えるとは思っていない。

HGV(重量積載物車両)の場合はずっと深刻だ。小型車のエンジンが少量しかアドブルーを必要としないのに対し、トラックは大量のアドブルーを必要とする。エグゾーストが低温の場合(例えば冬)、分解されなかったアドブルーは有害であり、複雑なエグゾースト・システム中に堆積してパワーを減少させたり、時にはトラックを全く動かなくしてしまう。無理からぬ話ではあるのだが、HGV用のデフィート・デバイス(排気ガス検査のときだけ有害物質を減らす装置)の市場は活況だ。

ラフバラ大学のチームは、ACCTを製造してくれるヘビー級の技術に長けたパートナーが必要だというが、価値ある知的所有権を安価に譲渡することには慎重だ。大学の知財専門家と将来のパートナーは非常に活発に交渉を行っている。「われわれの感覚では、どこか一社の自動車メーカーではなく大手のサプライヤーが望ましいのです」とハーグレーブはいう。

ACCTの商用化の道筋がどのようになろうと、この技術を使いたくてたまらない数多くのユーザーがその進展を待ち望んでいる。ディーゼルの復活につながるかもしれない。

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