電気自動車(EV)3台対決 日産リーフ vs VW e-ゴルフ vs ルノー・ゾエ

公開 : 2018.04.07 10:10

今回の主役、日産リーフ

さて、降りしきる雪の中、われわれは3台のEVでハイウェイM40号線に乗り、2番ジャンクションを下りた先のビーコンスフィールド・サービスエリアにある充電ステーションへやってきた。この3台は例のクルマとちがってどれも明日にでも買えるし、おまけにうんと安価だ。

ところがテストをはじめて早々に、EVの現実を思い知らされた。この日はいまいましいほど寒く、ロンドン南西のテスト出発点から48kmほど走るあいだに、どのクルマもモニターの航続可能距離は心配なほどみるみる下がり、結局97kmも減ってしまったのだ。

3台のクルマにはいずれもバッテリー過冷を防ぐ温度管理機能がないので、外気温に性能が左右されてしまうのだ。この時期に、たとえばこのサウス・バックス地方で電力供給制限がとつぜん起こったとしたら、メーカーにとってはさらに都合の悪いことだろう。しかしわれわれにとっては、この悪天候のほうがそれぞれのクルマの不得意な場面での力を試せるので、むしろ好都合だ。

そんな状況だが、まずは今回の目玉といこう。このイギリス生産の新型日産・リーフだ。そんなに出来がいいのか? そう。「EVかエンジン車」かという重大な選択をさらに迫られそうなくらいに、いいのだ。

世界一売れた初代からすすんだ点として、まず航続距離は5割増しの270kmとなった。これはより現実に近いWLTP試験での値だが、パワーだって109psから150psと同じ割合で上がってのことなのだ。そのパワーよりも、ゼロ回転から発揮する最大トルクが25.8kg-mから32.6kg-mに上がったことのほうが、運転してわかりやすいだろう。
それでいて、価格は先代より下がった。今回のクルマはボーズのサウンドシステム、全席シートヒーターや半自動運転機能がそなわる充実装備グレード「テクナ」だが、政府のPHV補助金4500ポンド(67万円)を差し引いた価格は2万7490ポンド(407万円)だ。

これだけの航続距離と、先代よりも使い勝手の良いパッケージングには説得力がある。デザインも先代の変わったプロポーションの面影がまだ残るものの、よりスリークになったのはたしかだ。ホワイトのボディとダークカラーのアクセントの組み合わせも、これまでになかったハイテクな印象を放っている。もっとも、下ぶくれな感じはあい変わらずだが。

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