電気自動車(EV)3台対決 日産リーフ vs VW e-ゴルフ vs ルノー・ゾエ
公開 : 2018.04.07 10:10
リーフの乗り味は
内装は特に十分よくまとまっている。ただ7インチのタッチパネルはがっかりするほど解像度が粗く、この価格帯のクルマにしてはスイッチ類のプラスティックも質感が低い。とはいえ広くてくつろげるし、重要なことだが暖房も3台中でちばんよく効くのだ。
道路はカチカチに凍てつきぬかるみだらけだったが、ドライビングに影響はなかったといえる。率直にいって、リーフは外観こそ変わったがプラットフォームは従来のまま、つまり高いドライビングポジションもそのままで、EVの文法にとらわれないやり方をなぞっている。
ステアリングは前よりもすこし重みを増してクイックだが、手ごたえはまるで伝わってこない。重いバッテリーを抱えた車体のロールを抑えるためにはシャシーを固めるほかなく、その結果動きはとても機敏なのだが、よほど路面が滑らかでなければ乗り心地は落ち着かないし、低周波の振動もめだつ。
速度を上げれば、乗り心地はいったんよくなったように感じる。だが、これまた路面がよほど滑らかでない限りはエンジン車のライバルに及ばないと思った方がいい。
ところで、ほかの2台にない「e-ペダル」を忘れてはいけない。e-ペダルとは、誰しもがもっているなまけ心をくすぐるために、日産が付け加えた強力な回生ブレーキ機能のことだ。広告では「ワンペダルドライブ」と謳っているが、たしかにその通りだ。
コーナリングでは進入でちょっとの間アクセルから右足を離すだけで十分に速度が落ちるし、つづいて瞬速レスポンスのアクセルで脱兎のようにぬけ出せるのだ。トヨタGT86並みとまではいわないが、こうしてうまくコーナーを回れるとうれしい驚きを感じる。