電気自動車(EV)3台対決 日産リーフ vs VW e-ゴルフ vs ルノー・ゾエ
公開 : 2018.04.07 10:10
EVでも一流のゴルフ
時間がなくなってきた。次は2万8230ポンド(418万円)のe-ゴルフだ。ことさらゾエをおとしめるつもりはないが、3台の中でもっとも見た目が好ましいのはまちがいないし、こちらがリーフと真正面からぶつかる1台だろう。
牙のように光るフロントバンパーのLEDライトで主張してはいるが、そのほかはまごうことなきゴルフ。上級指向だが親しみやすい装備にもまたしかりだ。見て触ったリーフの質感が新型でそれなりに上がったといっても、ドイツ車に乗ってしまうと硬質で磨きぬかれた感じは完全に別格だと思い知らされてしまう。
走り出せばドライビングポジションも自然だし、ほかとくらべても操作系の手ごたえや反応は信頼感にみちている。リーフほどすばやいダッシュは見せないが、こちらはわずかに重いしパワーも136psと必要十分くらいでしかないのだ。
しかし乗っているとそうは感じられない。スピード感がないのは、荒れた路面も押しならすように走るから、またタイヤのグリップもリーフとは比べものにならないほど手にとるようにわかるからではないのかと思えてしまうのだ。やっぱりゴルフはEVになっても一流だ。
とはいえ、エンジン車なみのすばらしい運転感覚とひきかえに、航続距離争いでは80kmほど後れをとってしまった。こちらは48kWhの大容量バッテリーが載るまでしばらくのお預けだ。
今か今かと待ち望んだ2代目リーフだが、現時点で完成されたEVといえるかというと、答えはノーだ。e-ゴルフのほうがパッケージングはきっちりとまとめられ、見た目もよく、乗っても乗せられてもすぐれているからだ。
ただリーフの後れは大したことはないし、航続距離という決め手もある。さっきの質問をちょっとすり替えられるとしたらこうしたい。「コスト・実用性・航続距離とクルマじたいの洗練性において、リーフは多くのひとびとの目にかなうはじめてのEVとなれるか?」
いままで長いこと化石燃料のクルマを楽しんでこれた、でもこれからはそうもおちおち言っていられない—という向きには、この新型リーフはがぜん注目に値する。