トランスポーターのドライバーという仕事 積み込みの極意は?

公開 : 2018.04.08 18:10

パズルのようなクルマの配置

18.75メートルまで持ち上がるオデッセイ号-トランスポーター・エンジニアリングが製作し、ボルボFM450が牽引する-のデッキによじ登って見ると、なるほどと思った。

ミックはいとも簡単そうにクルマを積み込む。私は、彼がクルマの運転席から身を起こして窓から乗り出す様子を見ている。まっすぐに進んでいるか、トラックの端からの距離は正しいか、そのほうがチェックしやすい。彼の運転するクルマは、トランスポーター運転台の上についている「ピーク・ランプ」を目指してデッキを上っていく。頂上に到着して無事に車から降りると、彼はホイールのそばで身をかがめ、ホイール・ストラップでデッキに確実に固定する。そして地上に戻ると今度は残りの積み荷を調べるのだ。

「どのクルマをどこに載せるかの判断は、この仕事で一番難しいことの一つです」と彼はいう。「1台を降ろすのに別のクルマを降ろす必要がないよう、順番に載せなければならないので、余計に難しいのです」

幸いなことに、クインスにはローラ・クイン率いる優秀な配置チームがいる。彼女はすべてのクルマの形を見て、降ろす順番を考えながらジグソーパズルよろしくトランスポーターにクルマをはめ込む。

「クルマがわかると助かります」と彼女はいう。「もしある会社がフィアット500を12台運びたいというと、私はそれがハッチバックなのかMPVなのかSUVなのか、またはそのミックスなのかを尋ねます。ジュークはひどく傾斜した形をしています。ピカントは短いけど背が高く、A6セダンは低いけど長い。クルマは年々大きくなっています。古いモデルのフィエスタなら12台積めますが、新しいモデルだと11台しか積めません」

さらに幸いなことに、クイン姉妹は経験上、運転手が対処しなければならないことを知っている。ローラの姉のアビはクインスのトラックのメカニックを10年間務めた。サムはトランスポーターの運転手、ローラ自身はクルマの積み降ろしを行う運転手助手だった。この商売を始めたのは姉妹の父トニーだ。トラックの組立工だった彼は1983年に鉄鋼のストライキで金に困った顧客がトランスポーターで代金を支払ったのを機に起業した。今では50台のトランスポーターを所有し、一日に800台のクルマを運んでいる。

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