フォードF-150 英国試乗 高性能版「ラプター」の走りは
公開 : 2018.04.08 10:10 更新 : 2018.04.08 17:01
2500kgの車重に3.5ℓV6ターボ
とはいっても、気づいてびっくりだ。パーティにわれわれイギリス人だけお呼びでなかったようなものだ。
F-150はイギリスの正規ディーラーでは買えないが、本気でほしいなら個人輸入という手もある。総額10万ポンド近くかかってもいいなら、右ハンドルに改造してくれる業者もいることだし。などとはぐらかすもの言いはさておき、アメリカ人が大好きなクルマをじっさいにイギリスで乗った感じはどんなものだろうか?
今回のクルマはただのF-150ではない。いうなればF-150の「GT3」バージョンだ―フォードは「ラプター」と呼んでほしいようだが。
しかしポルシェ911 GT3とおなじく、このラプターはいちから設計を見直され、はるかに強大なパワーと凝ったサスペンションを与えられている。ひとつのゴールに焦点をしぼった点では911 GT3と何ら変わりはない。方向性がちがうだけのことだ。
先代のラプターと比べると、ボディが鉄からアルミに変わったことで200kg以上も軽くなっている―とはいえまだ2500kgもあるのだが。また、巨大なフォックス製ダンパーとそれを取りまく大型スプリングによって、最低地上高とホイールストロークは増加した。後輪の縮み側ストロークなどはほぼ35cmもあり、しかもバンプストッパーは液体封入なのでたとえストロークを使い切っても衝撃はおさえられるようになっている。
エンジンも変わった。古きよき6.2ℓ V8にかわって載せられたのは、よりにもよって3.5ℓのV6。いうなれば、マイク・タイソンのボクシンググローブをウールのミトンに取りかえるようなものだ。市場によっては非難轟々になりかねないことだが、もちろん心配はいらない。このV6はツインターボつきのエコブースト・エンジンで、最高出力は450ps、最大トルクは70.5kg-mといずれも退役したV8を上回るのだ。