新型メルセデス・ベンツCLS 400d 4MATIC AMGライン 優れた内装 悩ましいオプション選択
公開 : 2018.04.04 11:40 更新 : 2018.04.04 21:53
メルセデスのエアサスらしくない
反して、荒れていたり波打ったりしている路面では、ボディがフワつく感覚になってくるから、スポーツモードを選択した方が安定性は高まる。
ただ、スポーツモードにすると硬さが増す一方で、ラグジュアリー・サルーンとしての基準からすると、落着きや共振面で至らなくなってしまう。コンフォートモードで得られていた快適な乗り心地は消え、簡単に細かな振動を発するようになるのだ。
それなりのスピードで大きなコブや窪みを通過する際、音や振動面で最善を尽くそうとしている努力は感じられるのだけれど。
そしてサスペンションは、大きな凹凸は大体はいなしてくれるが、大径ホイールの処理には苦労している様子。郊外の道でスピードを上げていくと、思いもよらない場面でタイヤが弾かれ、唐突に地面に叩きつけられるような場面がある。
このように見ていくと、CLSはドライバーズカーかどうか、という問いには、試乗車のスペックでは「はい」とは答えにくいのが正直なところ。
ある程度までなら操縦性にも優れ、2tも車重のあるクルマとしては、ステアリングフィールもスマート。4輪駆動としては、充分にバランスの取れたコーナリングも披露してくれる。
しかし、今回テストした荒れた路面では、充分に煮詰められていない印象が残ってしまった。コンフォートモードが備わるエアサスペンション付きのメルセデスとしては、残念な仕上がり。このエンジンとサスペンション、タイヤの組み合わせでは、超距離もこなせる洗練されたクルーザーとして納得できるクルマだとは言いにくい。