中国ジーリーホールディングの野望 デザイナー・インタビューで探る
公開 : 2018.04.14 16:10 更新 : 2018.04.26 14:08
同グループ 他ブランドの戦略は
そして2013年、会社はこの考え方に沿った格好のいい4ドアセダン、KC1コンセプトを発表した。
それ以来、多くのことが起こった。中国市場におけるジーリーのクルマの売り上げは急増した。従来、中国人はあか抜けない国産品を避けるものだった。それにもかかわらず、である。
ホルベリーはデザインと品質を改革している。「ジーリーの製造品質は向上を続けています。まったく驚くべきもので、今やドイツ車と肩を並べるほどです。われわれは他の中国企業よりずっと速く進化しており、ボルボとのギャップは本当に狭くなりました」
では、ジーリーの他のブランドはどうだろう。新たな世界ブランドであるLynk&Coは、ジーリーとボルボの間にある「とても大きなギャップ」を埋めるものだ。アーキテクチャは共有するが外観は独自である。
中国で成功するデザインというのは興味深い視点だとホルベリーは言う。顧客はいまだに「見栄えのする」エンジンにこだわり、クルマのフェース・デザインにとても敏感だ。
欧州人はクルマのフロントガラスを眼に見立て、グリルを口に見立てるが、東洋人の顧客にとって眼はヘッドライトなのだ。中国のクルマのデザインで成功するには、これを頭に叩き込んでおく必要がある。
プロトンは現在進行中の仕事だ。以前はマレーシア国有だったこの企業は、保護された市場でぬくぬくとしていたのだが、市場が開放されるや売り上げは激減した。
プロトンの大きな遺産は現代的で高度に自動化された生産工場である。しかし一番の課題は、この地域で必要な販売数を稼げるベストなクルマを見つけることである。
ホルベリーはコメントしないが、ジーリーとLynk&Coのクルマをそこで生産するということも、重役たちの頭の中にはあるに違いない。