メーカーばかりの注目、理不尽? サプライヤー「GKN」 脇役の矜持

公開 : 2018.04.15 16:10  更新 : 2018.04.18 18:12

技術者を育てる

「(展示会場をさして)こちらにあるものはすべて量産に入っています」と語るのは、われわれの案内役を務めてくれたAWD/eドライブ部門CEOのピーター・メルグだ。

「こちらは純機械的システムだったはじめてのツインスターです。ここからのちにメカトロニクスに移行しました。そしていろんなタイプのeドライブと、そこから派生したG200EXです。これはBMWアクティブ・ツアラーに採用されました」

統合電動パワートレインを指さしてさらにつづける。「このG600eは将来のスポーツEVへの採用を見こんで開発中のパワートレインです。まあ、ドイツの大手メーカーを当てこんでいると言っておきましょう」

ここでふと、片隅にあった2014年ル・マン優勝マシンのアウディR18 e-トロン・クワトロで使われたフライホイール・バッテリーが目にとまった。

メルグが付け加える。「フォーミュラEではレースカーにとって理想的な、おなじようなタイプの機械式バッテリーをパナソニックジャガー・レーシングチームと共同で学生といっしょに開発しました。自動車産業志望の若者に手を差しのべるのはわくわくしますね。彼らはエネルギーと洞察力にあふれていますよ」

GKN、そしてもちろんほかの1次下請けも、就職先をメーカーと迷っているような有能な工学生に対する門戸は広い。

これについても、ジャックマン-デイは語っている。「GKNはいろんな機会を与えてくれるので、技術者として成長するにはうってつけの会社ですね。ツインスター・システムのようなAWD機構の開発プロジェクトではかけがえのないものを得てきましたし、駆動系技術の牽引役ともいえる高性能なクルマに入れ込むことも許してくれました」

とくに会社から広報役をおおせつかったわけでもないだけに、この絵にかいたような彼のほめ言葉もおおいに信ぴょう性があるというものだ。

まして、E-PACEを氷の上で見事に踊らせてみせる彼の姿を思いだせば、すこしも疑えるはずがなかった。

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