ポルシェ919ハイブリッド・エボ スパで「メルセデスF1 W07ハイブリッド」超え
公開 : 2018.04.12 17:25 更新 : 2018.04.12 17:47
919ハイブリッド レギュレーションの束縛を解かれて
FIAは、WECとル・マン向けの技術レギュレーションを定めることで、アウディ、ポルシェ、トヨタがエントリーした、コンセプトが非常に異なるクラス1のル・マン・ハイブリッドプロトタイプの間で、熾烈な競争をもたらすことに成功。
ポルシェは、このレギュレーションにより「もし制限に縛られなかったとしたら、919ハイブリッドのポテンシャルはどれくらいなのか」という疑問に、今まで答えることができなかったという。
「いわばエンジニアの夢が叶ったようなものです。4年間、ポルシェ919ハイブリットを開発、改良してレースで戦わせたので、このマシンには非常に思い入れがあります。わたし達は全員、ポルシェ919ハイブリッドがどれほど成功を収めようとも、その能力が完全には発揮されてこなかったことを知っていました。実際、エボ・バージョンも、十分には技術的ポテンシャルを発揮していません。今回は、リソースの制約はありましたが、レギュレーションの制限は受けませんでした。わたし達がつぎ込んだものによってF1の記録を破ることができ、非常に満足しています」と、このプロジェクトを率いた、LMP1チーフレースエンジニアのスティーブン・マイタスは述べている。
レコードカーを準備するにあたって、ベースとなったのは2017年ワールドチャンピオンシップカーであった。まず、2018年のWECに向けて準備されながら、2017年末に撤退が決まったため、レースでは試されなかった開発事項が盛り込まれている。さらに、エアロダイナミクスに関して複数の変更点が加えられた。