ポルシェ919ハイブリッド・エボ スパで「メルセデスF1 W07ハイブリッド」超え

公開 : 2018.04.12 17:25  更新 : 2018.04.12 17:47

ココが違う 919ハイブリッド「エボ」

ポルシェ919ハイブリッド・エボ」では、パワートレインのハードウェアには手を加えていない。ポルシェ919を駆動するのは、コンパクトなターボチャージャー付ℓV型4気筒エンジンで、2種類のエネルギー回生システム(フロントホイールのブレーキエネルギーと排気エネルギー)を採用。

内燃エンジンはリアホイールを駆動し、電気モーターはフロントホイールをブーストして4輪駆動のマシンを加速させる。同時に、大気中に捨てられてしまうはずのエグゾーストシステムからのエネルギーを回収。フロントブレーキと排気システムから回生される電気エネルギーは、一時的に水冷式リチウムイオンバッテリーに蓄えられる。


WEC効率レギュレーションでは、フューエルフローメーターを使用することで、1ラップあたりの燃料によるエネルギーを制限。2017年のスパでの選手権ラウンドでは、ポルシェ919ハイブリッドの最終セッションは1ラップあたりのガソリン使用量の制限は1.784km/2.464ℓだった。このときにV4内燃エンジンによって得られた出力は約500ps。この制限を取り払い、最新のソフトウェアを装備した結果、通常のレース用の燃料(20%のバイオエタノールを含むE20)を使用した状態で、919ハイブリッド・エボのV4エンジンは720psを発生している。

2017年のWECスパ戦で使用することができた2つの回生システムによるエネルギー量は6.37メガジュール。これは、システムのポテンシャルをはるかに下回るものだった。レコードラップでは、ニール・ジャニは8.49メガジュールのフルブーストを利用することができた。これにより、回生エネルギーの出力は400psから440psへと10%増大している。
 

おすすめ記事

 

人気記事