リスター・サンダーに試乗 ジャガーF-タイプ・ベースの「モンスター」
公開 : 2018.04.21 16:10
番外編 リスターのあゆみ
1950年代、フェラーリやアストン マーティン、マセラティといったスポーツカーのサラブレッドがレースシーンできらびやかに輝くいっぽう、リスターの歴史は創始者ブライアン・リスターの名を付したちっぽけな会社からはじまった。ケンブリッジシャーのこの会社のもっとも有名なモデル、ノブリーが生まれたもこの時代のことだ。
ノブリーのボディはただ曲線美が印象的なだけではない。ジャガーの直列6気筒ツインカムエンジンとあいまって、ギア比をえらべば322km/hの最高速も可能だったのだ。だが、隻腕ながらたぐいまれな名手だったドライバーのアーチ―・スコット・ブラウンを事故で失ったことで、ブライアン・リスターはモータースポーツから手を引くことになる。
そして、ローレンス・ピアース技師の管理のもとに会社が再建されたのはようやく1986年のことだった。そして、ベースのジャガーXJSを608psまでチューンした凶悪なまでのチューンドカーを少量生産し、白紙新設計のクーペでスポーツカーレースにもどってきた。そう、リスター・ストームだ。
長いあいだ眠っていたノブリー生産用の部品の存在が2012年に公になり、巡りめぐってローレンス・ウィタカーと父アンドリューがピアースから会社を買いとり、再建することになった。サンダーのようなロードカーをふくめ、新型車の開発をつづけることが事業の基本となっていくだろう。