英国ツーリングカー選手権(BTCC) 2018年、昨シーズンとの違いは
公開 : 2018.04.21 18:40
レースのために市販車を速く
サプライヤーからの協力もある。チーム・ダイナミクスは多くのコンポーネント・メーカーと技術協力を結んでいるので、1セット1800ポンド(27万円)もするスパークプラグに金を払わなくて良いし、チームのダンパーやスプリングの専門家がビルシュタインやアイバッハに彼らの好みや商用化の可能性を正確に伝えることもできる。
このBTCCシビックはベースのモデルが最初からタイプRを念頭において開発されたため、とても速いと彼らは思っている。
宣伝広告ではないが、先代モデルではフロントシートの下にあった燃料タンクが最新世代のシビックでは賢明にもリアシートの近くに移されている。レースカーとしてクラッシュ時の安全性に配慮したのだ。しかしこれは同時に、クルマのフロアが完全にはフラットでないことを意味する。
今日のレースカーでは床はますますフラットになり、エグゾーストも含めて突起物は何もない状態だ。エアロダイナミック性能を向上させるためである。
われわれが以前報告したように、タイプR公開のときにホンダのエンジニアは、空気口やスカートその他すべてのオプションはエアロダイナミック性能を向上させるために付いていると語った。見た目のためであればそれは大間違いだとあなたも思うだろう。
レーシングカーでも同じだ。フェンダーを広げたのは拡大されたトレッドに合わせるためだとしても、ボンネットの空気口は充填圧を増やすため、リアスポイラーの羽根は空気を整流するためだ。気流の乱れは空気抵抗を増やすのだ。
ほとんどのボディーパーツは比較的軽く丈夫な素材で作り替えられるが、リアのバンパーとディフューザーは市販車そのままである。規則に記述されているように、上のダッシュボードも同じである。
BTCCで勝つためのカギは、エンジニアを本当に苛立たせるものだ。彼らは技術の限界を突き破り性能を大幅に向上させたいのだが、そうはさせまいとする規則に行く手を阻まれる。
そうなると、レースカーが少しでもご利益を被ることができるように、なるべく速いベース市販車が欲しくなる。モータースポーツは市販車の性能を向上させるものだと言われる。そういう場合もあるが、このレースのようにその逆もあるのだ。