自動運転、クルマ好きの敵か グーグル傘下「ウェイモ」中心人物に聞く
公開 : 2018.04.22 18:10
世界最高のドライバーの開発
自動運転技術の開発だけでなく(長く噂されているように)クルマを製造する計画もあったのかと彼に聞いてみたが、ぼそぼそと「わたしは知りませんね」と小声でいうだけである。
しかし、ウェイモが創立された2016年末の時点では、この噂は(少なくとも今から見ると)すっかり一段落していたのだ。
「ファイヤーフライと呼ぶテストカーは自社で製作しましたが、その理由は、技術試験をおこなう場所がいわゆる「ゴルフ・カート規則」を使うことができたからです」と彼は言う。
「56km/hまでならハンドルなしに近隣を走ることができたんです。そこで試験走行を重ねました。でも、クルマをまるごと作るのは専門家に任せた方がいい。お互い、それぞれの領分というものがあるのです」
この試験走行は、自動運転の試験走行を一般道で行う際の安全性への懸念に対するウェイモの回答である。機会さえ与えられれば、クラフシックはまるで呪文のようにふたつの実績を繰り返すだろう。
800万kmに及ぶ米国一般道での自動運転試験と、80億kmを超えるコンピュータ・シミュレーションでの自動運転試験である。
彼はまた、2008年から開発を行っているウェイモ独自のライダーおよびレーダーは世界最高性能であるという。だからウェイモは今年、アリゾナの260平方kmを超える地域で「もしものため」の人間を載せない自動運転試験をおこなおうと計画している。一般公道試験としては世界初だ。
「会社を設立したとき、自分たちの役割は何かと自問したんです。答えは、世界最高のドライバーを開発することでした」と彼は言う。「現在のわれわれの技術なら、巨大なトラックからプリウスに至るまでなんでも運転できます。動くものならなんでもOKです」