初試乗 アストン マーティン・ヴァンテージ ライバルは911
公開 : 2018.04.17 10:10
その差は優劣ではなく「違い」
結局、ヴァンテージと911をそれぞれ比較しても、決してそこに優劣はない。
では、ヴァンテージ同様に12万900ポンド(1836万円)ほどのプライスタグを掲げる他のライバルたちはどうだろう?
なかには違った魅力をもち、ひとつかふたつ、ヴァンテージよりも優れたところをもつクルマがあるかもしれないが、このアストンほどの全体的な完成度をもつモデルは他にはないと断言できる。
では、ヴァンテージは911 GTSよりも優秀なのだろうか?
おそらく答えはノーだ。
しかし、911とはまったく違うモデルとして、多くの点で十分に満足できるからこそ、このクルマは本物の、素晴らしいもうひとつの選択肢となっているのだ。
911より劣っているのではなく、違った存在であり、多くの面でより素晴らしくもある。アストンとポルシェのサイズや価格、それに能力を比較してみれば、このクルマ自体が驚くべき到達点だといえる。
番外編 ツインターボV12を積む日がくる?
V12エンジンを積む計画はあるのだろうか? これは当然の質問だろう。アストンは忍耐強くこの質問に答えながらも、公式には現時点で決まった計画はないという。つまり、まだ決定していないということだが、恐らく彼らはこの計画を進めている。
最初に知っておくべきなのは、DB11と多くを共有するヴァンテージでは、5.2ℓツインターボエンジンをそのボディに収めることができるということだ。
さらに、アストンのデザイナー自身が、フロントがより印象的になるとも考えている。おそらくモデルライフの中盤でV12エンジンを搭載したモデルが登場するだろうが、排気量を増したこのエンジンを冷却するに必要な大型のベントが設けられても、その美しさを損なうことはない。
そして、現段階ではCLS 53が積むメルセデス-AMG製の新3.0ℓ直列6気筒エンジンをヴァンテージに搭載する計画もないのだろう。
このエンジンは必要なパワーを、ターボ過給と電動コンプレッサーに電子制御を組み合わせることで驚くほどスムースに紡ぎだし、モデル全体のCO2排出量を削減する有効な手段となる。おそらく計画に含まれていないだろうが、検討には値するはずだ。