初試乗 フェラーリ488「ピスタ」プロトタイプ GTB/GTEとの違いは
公開 : 2018.04.18 11:10 更新 : 2018.04.18 11:17
非常に鋭いレスポンス
ギアも同じく無変更だ。一般的に言えば、パワフルで軽量になればより高いギア比にも対応できる。しかし、ディーニ氏によれば「ギア比を上げることによりレスポンスが低下することを避けました」とのことだ。
ピスタに乗ると「レスポンス」という言葉が再定義されるような気がする。発進させると、右足首のわずかな動きにも跳ねるように反応し、ミリ単位の精度でスロットルをコントロールすることができるのだ。
低速のギアではトルクが人工的に制限され、7速でのみ78.5kg-mという最大トルクが発揮される。これにより自然吸気のようなリニアさを実現しているのだ。GTBにわずかにターボラグがのこされているとしたら、ピスタではそれが完全に排除されているといえる。
加速はまさに暴力的で、このパワーに順応するためにフィオラノを半周ほど使ってしまった。
特にトルクが炸裂する中速域ではGTBよりも明らかに速い。エンジンの回転は非常に速く、ステアリング上のシフトインジケータは常に光っているようだ。マニュアルモードでは、あまりの回転上昇の鋭さに8000rpmのレブリミッターに当たってしまいがちだ。あと1000rpmの余地があれば良いのだが。
だが、8000rpmちょうどで唐突にパワーをカットするようになっており、レッドラインが近づいても勢いが衰えることはない。