初試乗 フェラーリ488「ピスタ」プロトタイプ GTB/GTEとの違いは
公開 : 2018.04.18 11:10 更新 : 2018.04.18 11:17
番外編 レースからのフィードバック
伝統に則り、488ピスタはフェラーリのモータースポーツでの経験を多く引き継ぐモデルだ。フェラーリによれば新しいダクトやディフューザーやスポイラーの装備によって488 GTB比で空力性能が20%向上している。
エアロについてもっとも大きな変更点はフロントのF1のようなS-ダクトを持つボンネットだろう。この名称は、インテークから取り入れられた空気がS字のダクトを通って排出されることから来ている。これにより、空気の流れを加速させ、ボンネット下を低圧にし、フロントアクスルのダウンフォースを増加させるのだ。
他にも、フロントバンパーの開口部が拡大され、前輪にあたる空気を整流している。さらに、488 GTBよりも30mm高められ40mm延長されたリアスポイラーがリアアクスルのダウンフォール増加に貢献している。
新設計のサイドダクトは非常に賢い技術だ。488 GTBでは、このダクトから取り込まれた空気はエンジンのエアインテークとインタークーラーに分けられていた。しかしピスタではインテークがリアスポイラー付近に移動され、エンジンによりきれいな空気を取り込めるようになった。
結果的にサイドインテークの空気はより大きくなったインタークラーのみに使用されることになる。これによって、エンジンの吸気効率とインタークーラーの冷却効率がともに向上したのだ。
後方から見ると、ピスタはGTEに似ている。特に、世界耐久選手権(WEC)車両のようなディフューザーだ。また、ボディ下部のボルテックスジェネレーターが増えたダウンフォースの有効活用に貢献している。事実、これらの新しい空力装備によってダウンフォースが20%向上した一方で、空気抵抗は3%しか増加していない。