グランツーリスモ生まれ アウディeトロン・ビジョン・グランツーリスモ 試乗記

公開 : 2018.04.22 15:40

アウディeトロン・ビジョン・グランツーリスモはプレーステーションのゲームのために生み出されたヴァーチャルなクルマでした。しかし、その仕上がりが気に入り、サーキット走行用とはいえ、実車を完成させたアウディ。グレッグ・ケーブルが試乗の機会を得ました。

もくじ

ゲームの世界から現実の世界へ
DTMマシンベースのパワーウエイトレシオは562ps/t
限界領域に迫れないほど高いポテンシャル
番外編:グランツーリスモから現実世界へ現れたクルマたち

ゲームの世界から現実の世界へ

いま目の前にあるのは、コンピューターによってバーチャル空間に生み出された電動クーペ。アウディのインハウスデザイナーがここ2年間の間に生み出した、20数台のうちのひとつ。

このオリジナルは、ご存知のかたも多いと思うが、ソニー・プレイステーションのレーシングゲーム、グランツーリスモの中で、アウディのプレゼンスを高めるために生み出されたクルマだった。

しかし、ビジョン・グランツーリスモが気に入ったアウディの上層部。アウディの電気自動車のサブブランド、eトロンのマーケティング戦略の一環として、フォーミュラEシリーズ向けの実走行プロトタイプの制作を決断したのだ。

今回の試乗で招かれたのは、ドイツ・インゴルシュタットの郊外に位置する、アウディのノイバーグ・テストトラックのガレージ。初めて間近で見たこのクーペは低くワイドなプロポーションで、1989年のアウディ90クワトロIMSA GTOを呼び起こさせる雰囲気を持っている。カーボンファイバー製のボディには、何枚も重ねて取り付けられたフロントスプリッターとカナードが付く。ボディの寸法はA6に近い。

フォーミュラEシリーズのイベントでは、元DTMドライバーのラヘル・フレイがドライブするが、今回はこのショットガンにわたしと一緒に同乗するだけらしい。ヘルメットを渡してもらう際、笑いながら勇気づけてくれた。

もちろん、ゲームコントローラーではなく、握るのはステアリングだ。

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