驚異的なバランス

実際、430スクーデリアのメカニカルグリップとバランスは驚異的で、まったく限界がないのではないかとさえ思えてくる。

だが、当たり前ながら限界は存在する。ただしその位置は、公道ではほとんど達することはないほど高い。

確かに、われわれが写真撮影に使ったような濡れたタイトコーナーで、5段階式トラクションコントロールを完全にオフにし、2速ギアで急激なパワーを与えてやれば、スクーデリアであってもリアが滑り出す。

だが、そのような乱暴な運転で意図的に引き起こさない限り、430スクーデリアのグリップはほとんど盤石と言っていい。

そこまでわかってきたところで、名残惜しいがフェラーリの試乗は切り上げて、ほかのクルマに乗り換えるとしよう。調子に乗りすぎて痛い目に遭わないうちに…。

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