スズキ・スイフト・スポーツ 新型に試乗 ターボ化と軽量化されるも、英国価格は上昇
公開 : 2018.04.27 10:10
ファントゥドライブは変わらずも、従来型にはない不満も
ダイムラー社が提供するESPを完全にオフにした状態でも、ブレーキ制御によるスタビリティコントロールは機能している様子。ただ、余裕のある懐が深いシャシーは、最高速度いっぱいまで退屈しないドライビングを提供してくれる。これは、誰もがベーシックなホットハッチに求める、最優先項目だと思う。
また走りに重要な要素だといえる、ダンパーの収縮から伸張へ変化するフィーリングも、クラス基準からすると優れており、路面に素直に追従する動きが得られている。
一方で、気になる点もある。
スズキは、軽量化の目的で中空構造にまでしたステアリグラックは、このモデルの弱点にもなっている。意図的に重く設定されたステアリングは、自動的に直進状態へと戻るセルフセンタリングの動作も速く設定されており、不自然さが残るのだ。また、コンパクトカーに求めるダイレクトさという点でも欠けている。
6速マニュアルもショート化され感触も悪くないが、動きが軽すぎ、特に良い印象を感じられるものではない。エンジンのフィーリングも、潤沢なトルクで、先代と比較すると蛋白なものになってしまった。
といっても、日常の買い物にも利用でき、スポーツカーのようにも楽しめる、という欲張りさはまだ残っている。低速域でもキビキビと曲がり、直立気味のフロントガラスは優れた前方視界を確保している。