小型ホットハッチ対決 ルノー・トゥインゴ vs アバルト500 回顧録
公開 : 2018.05.05 08:10
回して楽しいトゥインゴ
われわれはこのあたりの道路がお気に入りだ。美しい風景は絵になるし、道路もチャレンジングで、テストにぴったりである。自動車メーカーもこのあたりでテストを行うことが増えてきているという。
だが先日、とあるメーカーが開発の際に路面の悪い英国の道路を使うことをやめるという噂を耳にした。その理由は英国の道路がEUの道路基準を満たしていないからだという。とんでもない話だ。
英国の道路も曲率や道路の構造はその他の欧州とほとんど同じレベルだ。ただ、路面の補修がいい加減なだけである。逆に言えば、英国でクルマを開発し満足いく走りが可能なら、どこに行っても通用するということである。
それはともかく、われわれが今回スモールホットハッチのテストに使ったブラック・マウンテンの道路は、タイトで曲がりくねり、ひどくバンピーで、路面のカント変化も激しい道である。ただし舗装状況は比較的良好であった。
さてい良いよ2台のインプレッションだが、まずトゥインゴからいこう。このクルマはとにかくエンジンを回さないと走らない。1速ギアは発進だけでなく、そのままで走れそうなほどのギア比設定がなされている。シフトインジケーターが用意されているが、それに頼る必要はない。
シフトチェンジのタイミングはエンジンの音が教えてくれるからだ。刺激的なサウンドというほどのものではないが、耳に心地よく、3000rpm以上回すとそのよさが初めて表出し始める。とにかく回せば回すほど、よく走るエンジンである。
ハンドリングについても同様だ。4割か5割のペースで走らせていると、トゥインゴのバンプやカント変化に対する処理能力はイマイチだ。だがペースを上げると、すべてがよくなってくる。
ターンインは鋭く、ステアリングはフィールが豊富というわけではないが、程良い重みを持つステアリングを介して、多少のインフォメーションを返してくる。